【ここで評価に差が出る】外資系コンサルとして問われる「あなたはクライアントの何を知り、どこまで知っているか」

働きすぎて自分を失わないようにするのが大事だと思いつつ、クライアントファーストであることも意識すべき、という話。

何も知らなかった自分、いや…

外資系コンサルファームに勤務し始めるまで、事業会社にいた自分。事業会社というのは安定した組織で、自分がいなくても最悪誰かが仕事をすれば、業務自体は円滑に回る。ある種、自責思考がなく、他責思考でもファームはクライアントが求める価値を届けられる。

まさに他責思考をもっていた自分。そんな思考でコンサルティングファームにジョインしたのが悲劇の始まりだった。

とある大手企業のとある案件に従事していた1年目。事業会社から移った直後で右も左もわからずに業務に励んでいて、時折体を休ませながらクライアントの契約期間は進んでいった。

ほぼ毎日クライアントミーティングがある中、最初は気にならなかったが徐々に気付き始める。

「クライアントの芯を食った提案ができていないな…」

クライアントの反応を見ても、そして自分自身が日々クライアントにとってどんな提案が良いだろうかを考えている時もいまいちピンとこない。そのような認識の違和感、本来であればクライアントが納得しそうな顔を見て、「うんうん、大丈夫」と思いながらプロジェクトを進めていくにも関わらず、体験として得ることができないもどかしさ。それを解消するために、定期的に行われる1 on 1での社内のマネージャーのミーティングで話した時、反応は以下のとおりであった。

「あなたは本当にクライアントのこと考えてる?」

質問に対して自分は「はい」って言えなかった。「考えてます!!」なんて虚勢は張るのは明らかにこの状況で間違いと思ったからだ。その反応に対してマネージャーは、

「クライアントが『何でこのコンサルタントはそんなことまで知っているのか』というレベルまで考えないとダメなんだよ」と続けた。

何を知るべきか

マネージャーがこれくらいクライアントに関わる情報をインプットしとけ、と言ってたのは以下のとおり。

  • クライアントの経営理念:まずその企業が事業活動によって何を実現したかを知る
  • サービス:クライアントが社会にどんな貢献をしているのか、影響を与えているかを知る。これを理解する必要性は言わずもがな
  • IR情報:数年の企業経営に関する情報を定量的な面から知る
  • 社長の経歴:社長が過去に何をしてきたかによって、企業の進むべき道、もっと言うと社長がどんな舵取りをするかが何となく見えてくる。社長のインタビュー記事とかも読んでおくと良い
  • Yahoo!ニュースやNewspicksで得られる業界や競合の動向:企業を取り巻く情報をあらゆる角度から得ておけ、もちろんこれ以外のメディアからも知っておかねばならぬ

ざっと書いてもこれだけある。

そして、ここで大事なことは情報を得ること、だけではなく「いつ情報を得るか」だ。勘の良い読者なら気づくはずだが、これはクライアントとの初めてのミーティング(キックオフ)の前に得る必要がある。なぜなら、事前の情報収集はクライアントとの関係構築で非常に重要な役割を果たすからだ。ここでコケたら、最後までコケっぱなしとなる可能性は高い。

今までクライアントのために過ごした時間はクライアントのためになっていなかったことを後悔したのは言うまでもない。

地頭の良い人間に勝つ方法

クライアントの関係構築だけではなく、ファーム間との差別化はもちろん、コンサルタント個人で見ていくと、スタッフ間との差別化にもなる。

思考力のない自分は他のスタッフに勝つために、コンサルタントとしての価値を出すためには情報をひたすら集めるしかない。多くの事実を頭に叩き込み議論で参加することでしか、天才揃いのミーティングの中では価値ある意見を出せない。(これは自分に言っております。読者の皆さんは大丈夫ですよね。)

外資系コンサルで働く人間、大体は地頭の良い人間は、少ない情報でも必要な要素を抽出しつなぎ合わせて、価値ある示唆を出すことができる。(本当に尊敬する。)

そのような人間と勘の鈍い自分が議論するには、誰かが「言ってた」、「書いてた」という情報を自分はせっせと拾い集めるしかない。

ただ本当に仕事のできるコンサルタントは頭もいいし、徹底的に情報を集める。もはや、自分は勝ち目がない

それでは、勘の鈍い自分は平日昼間に仕事をしながら、いつ情報を集めるのか。

苦しいかもしれないが、それは休日や仕事を始める朝、仕事を終える夜間だ。要は勤務時間以外も常にクライアントのことをひたすら考えるしかない。

何度も言うが、これは勘の鈍い自分がすべき行いなので、ヘルシーで地頭の良い読者はここまでは不要だと思う。

外資系コンサルとしての振る舞い

外資系コンサルファームは華やかな世界と思われがちだ。実際、オフィスは超一等地にあり、オフィスの中も最先端のITサービスが導入されている。人材は、東大、そして東大以上の大学を卒業している学歴、世界的大企業出身の人材も多い。

しかし、コンサルは実際泥臭く情報を集めている。泥臭く情報を集めた上で、情報を構造化・思考し価値あるアウトプットをクライアントに提供している。その泥臭さはファームの外には見えないのであり、クライアントにも当然「努力の痕跡」は見えにくい。あくまでもアウトプットのみで判断される厳しい社会だ。(自分には重いな、これ…)

クライアントに価値あるファームであるため、ファームの中で価値あるメンバーであるためには陽の当たらない時間にいかに汗を流すかにかかっている。

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この記事を書いた人

カフェが大好きな写真家。YouTubeでカフェに関する動画を配信。主な出没場所は白金、渋谷。

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