自由が丘の喫茶店、「カフェ・アンセーニュ・ダングル」。飾らない素朴さが東急東横線にあるなんて

東急東横線、大井町線の自由が丘という街

渋谷から横浜までを結ぶ東急東横線は若者に人気の路線。特に、渋谷から代官山、中目黒、学芸大学、都立大学、そして『自由が丘』は人気のエリアである。

自由が丘は都内でも有数のセレブの街だ。セレブの街であるが故に高級な飲食店が点在するエリアでもある。カフェという観点で言えば、海外からカフェも多く、ニュージーランドから来た「LATTE GRAPHIC自由が丘」や経営者がシリコンバレーの象徴企業であるGoogle、その出身者が経営する「Alpha Beta Coffee Club」といったカフェがあり、若者で連日賑わいを見せている。

自由が丘駅の改札を出ると、駅周辺は他の街に比べて随分と落ち着きがある。街も人も浮ついた感じもなく、どこか余裕がある人ばかり。

同時に街並みの一部は、古くからの時代を感じさせる。例えば、駅前の「自由が丘デパート」。もはやここほんとに自由が丘かな、と思うほどのノスタルジーを感じさせる。実際に見て欲しい。

 

そして、自由が丘にはノスタルジーを感じさせる喫茶店もある。

「カフェ・アンセーニュ・ダングル」、食べログの百名店

東急大井町線の線路沿いにある喫茶店、カフェ・アンセーニュ・ダングル。食べログの百名店に輝いている。

外観は、昭和感漂う、ごくごく普通の喫茶店。正直ほんとにここが百名店なのかな、くらい思ってしまう何の変哲もないカフェだ。ただ、結論、店の中に入って時間を過ごすと考えがすぐ変わった。

入り口のドアを開けて、佇んでいると空いている席に案内される。1人で行ったので向かい合って2人用の席に行くように言われた。

注文と引き換えに出してくれた大きめの氷に入った冷たい水。今のところ喫茶店のフォーマットどおりの流れ。

外観だけではなく、内観も同じように煉瓦造り。そして壁側の席はクリーム色の革製のソファ。

ソファの向かいにある木製のチェアは、やはりどこかに時代を感じさせる風情を感じる。オシャレ系のカフェだったらこんなチェは置かない。だけどこの喫茶店はそんなとこに注目すべきではなく、あくまでこれから出てくるメニューにあると思う。

店内を見渡すと、結構年齢層高い。オシャレなカフェに絶対いる20代の人は見た感じおらず、30代オーバーだろうと思う。ちなみに隣の4人掛けの席に腰掛けていた、たぶん自由が丘のマダム、多分おばあちゃんと孫から言われていそうな年齢の女性4人。誰かの噂話で盛り上がっていた。

普段、オシャレ系なカフェばかりを追っていると、こういう年齢層高めのカフェ、喫茶店に行くこともないけれど食べログ百名店にランクインされているのを見て行きたくなった。これは自分の主観だが、カフェは外観や内観、メニューもインスタ映えするような、しかも欧米系の外国人が好みそうな店が評価されるとばかり思ってしまいがちだ。ただ、実際は、この喫茶店のように日本人が残していた昭和の香りも令和のこの時代に評価されている。なんともそれが面白い。

昔ながらのコーヒーとレアチーズケーキ

チーズケーキとコーヒーが来た。

事前にカフェ・アンセーニュ・ダングルの魅力は、チーズケーキだよ!!とリサーチ済みなので、注文。

見た目は喫茶店の外観と同様にこれまたフォーマットどおり。「チーズケーキ」とググったら、検索結果にこれが出てきますよね、というチーズケーキが目の前にある。フォークでさえも喫茶店で出てくるイメージどおりのもの。少し高級な感じがするのもいいな。

チーズケーキはしっとりしてて、フォークがすっと入る。レアチーズ感が強い子供も大人も楽しめる万人ウケする味で、甘さもちょうど良くて「上品な」、が相応しいケーキ。

コーヒーもマグカップではなくて、器からはやはり高級感を感じる。味も酸味がほぼなく、コクが強めのコーヒー。酸味が強い浅煎りとかフルーツのフレーバーの香りがするカフェのコーヒーとは一線を画す、やはり昔からあるコーヒー。これでいいんだと思う。これはこのままずっと残しておいて欲しい味だ。

時代の名残が落ち着く

流行を追ったカフェもいいし、それがないと日々の刺激にならない。それは正直否めないが、このような昭和の香りを残した喫茶店も定期的に探索していきたい。

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この記事を書いた人

カフェが大好きな写真家。YouTubeでカフェに関する動画を配信。主な出没場所は白金、渋谷。

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